三重県志摩市に大王崎と呼ばれる港があります。
昔から航海の難所で昭和の初期に灯台が建設されたました。
切り立った岩肌と広大な太平洋、そして白い灯台、
この大変美しい景観はすぐに観光地となりましたが同時に、絵を描いている人々の
聖地にもなりました。
著名な 絵描き”の面々がこちらを訪れ、名作を落としていきました。
そのうち、絵かきの町”と呼ばれようになり、今や町を上げて絵かきの町”で
町おこしを行うようになっていきました。
私の絵を長年見てもらっている先生から急に、この大王崎”に行かないか!と誘われたのが2週間前のことでした。
くだらぬ諸用もあったのですが、お誘いにのり貸切バスで金壱万円・・・を支払いこの絵かきの町”へ向かった次第です。
日帰りだったので滞在時間は3時間、この間に何らかの作品を仕上げるのが目的なのですが、私は真面目にデッサンを
行うでもなく、ひたすらシャッターを切っていました・・・まぁ先生も予想されていたと思いますが。
壮大な大自然と風光明媚景観は確かに目を奪われます・・・
それ以上に過疎に悩む町の姿もまた印象的です。
漁業と観光が主な産業となる町ですが、訪れる観光客も、まばらで町が十分に潤うまでは行きません
目抜き通り(国道程度ですが)一旦路地に入るとそこは廃屋は並ぶ寂しい情景が目に入ってきます。
その情景は、虚しさの美観が著しく高い空間でした。
京都から4時間、決して近くはなく日帰り距離では限界の場所ですが 人が創り出す空虚な世界が
自然に帰る姿を 俯瞰できる場として感性家やフォトグラファーにはお薦めの地であります。
小型バス内で往復8時間あまり全身が劣化ウラン弾のように固まってしまった総務Fのうわごとでした。