開発Yです
大掃除の季節になってきました
今年もことさら 大 と言われると
逆にやる気が削がれるのですが
そんな事とは関係なく
重曹が大活躍なことは間違いありません
ただこの重曹 ともすると
魔法のお掃除パウダー的にとらわれがち(?)ですが
洗濯にはいまひとつだと思っています
重曹水のpHは8程度
アルカリ成分によって皮脂等の汚れを落とす目的には
pH=10程度必要と言われているようで
それに届かないため洗浄力が足りないというのが理由
重曹洗濯をすすめるHPなんかもありますが
実際しばらくの間洗濯に重曹を使った経験からすると
洗濯粉石けんには及ばない印象です
ちなみに
ここで出てきたpH(水素イオン濃度指数)は
めっきの世界でもとても重要で
めっき皮膜の外観、硬さ、もろさのほか
合金系では析出組成比に大きく影響します
まぁこんなことはめっきの教科書の初めに出てくる基本なのですが
基本なればこそ おそろかには出来ません
さて
先日 図書館で見つけて現在鋭意読み込み中の洋菓子の専門書
ベーシックは美味しい―オーボンヴュータン河田勝彦の菓子 / 河田勝彦(著)

もちろんレシピも載っていますが
途中のコラムに深いものがあり
このあたりは以前取り上げた
神谷流創作折り紙に挑戦!―創作アイデアの玉手箱 / 神谷 哲史(著)
に共通するものがあると思います
そしてその中に以下の様な文章がありました

パリでは菓子がどんどん新しくなっている。これは道具の開発、労働
条件や環境、政治上の変化とも関係している。ショックフリーザーがで
きてはじめてムースが普及したし、長時間労働が不可能な今日では複雑
な菓子を避ける傾向もある。
しかし基本技術や菓子づくりのベースとなる考え方は守らなければ
ならない。基本的な技術や考え方は合理的なゆえ残っているものが多い。
(中略)
新しい表現を菓子づくりで試みることは非常に重要であるし、
私自身もいまもなお新商品をつくり出している。が、たとえば基本とな
るシロップの糖度や生地のつくり方などがあやふやになれば、基本はな
し崩しになって、ただ流れていってしまうだけだろう。
ベースがあってこそ後世に残る系統だった仕事ができ、かつ新しさを
加えることもできると思う。
一流の職人だからこその重みを感じます
シビレます 私もこうありたい
あー こりゃ買うしかないかなぁ